その日はとんでもなく暑かった。

とりあえず、暑さ対策に服を丈の長い半そでTシャツと短パンにした。

そのせいで、なんだか変態じみた格好になった。

次に学校の宿題をした。課題は芥川龍之介の「羅生門」の読解。

下人（主人公）の感情なんて知るかと思いながらも問題を解いていく。

途中で
「なぜ作者はサンチマンタリスムという語を使って下人の心情を表現したのですか」
という問いがあった。

もうそろそろ疲れていたので「作者がかっこつけたかったから」と答えたら

後日

「もうちょっと真面目に答えましょう」と、先生からお叱りをいただいた。

でも、間違ってないと思う。

おとぎ話にでてくる、あの醜いアヒルの子は本当に醜かったのかな？

人は皆、自分たちとは違う個性や、姿かたちをしている人を嫌う。嫌わなくても
違うからといって遠ざける。

個性や特質の本当の姿を知らずに排除する、もしくは知っていたとしても排除する。

あの物語は、そんな人間社会にありがちなことを暗喩で示したのかな、と思った。

で、それを友達に言ったら

「へー、それで？」

いつの世も違う意見は理解されない物だ。

学校帰りにクラスメートと即興でつくった「散歩」(トトロのあれ）の替え歌

♪～あるこーあるこー私は元気（たぶん）　歩くの大嫌い　どんどん行こう
　　坂道（きつい！）トンネル（暗い！）　くさっぱら（虫がいる！）
　　一本橋に～（こわい！）　でこぼこ砂利道（めんどくさい）
　　蜘蛛の巣くぐって～（不潔！）　下り道～♪

高校生にもなって何やってるんだろうと思った瞬間だった。

そういえば、この子替え歌が異常なまでにうまくて、この間

「つっれづれなるままに、ひぐらし硯に向かいて～♪」
ってハニーワークスの曲のリズムで歌ってて笑えた。何の曲だったかはわすれた。
多分「金曜日のおはよう」だと思う。